2017年4月15日土曜日

#21 旅の終着点

9300km先から

金曜日の昼休み、近くの配達局から電話が入った。関税の金額と、配達の時間帯をどうするか、という内容だったので、その日の夕方、17-19時にお願いする。仕事を片付けてさっさと帰り、夕食の支度をしながら待つ。18時を少し回ったころ、不意に玄関のベルが。おっ、これはいよいよ到着か?

わくわくして出てみると、やっぱり郵便局。まず本人確認の後、税金の納付書類を受け取り、配達の人が荷物を取りに車に戻っている間に、お金を用意する。10,900円を払って、訝しげな視線とともに運び込まれた大きなダンボールは、やはりカンオケならぬ小型の衣類タンスくらいはある。普通の扉一枚がまるまるふさがりそうな大きさだ。

荷物受領のサインをして、税金の領収書を受け取り、配達の人が帰ったところで、とりあえず玄関からキッチンにそろそろと移動。廊下は暗いし、スペースがほとんどふさがってしまうので開けられない。明るいところで外装に損傷がないかを確認。その後、貼り付けてある書類をいくつか丁寧にはがし、今回の購入資料用のファイルにとりあえずまとめて放り込む。かなり厚くて強度の高いダンボールから、これまた粘着性の強い透明テープをやっとのことではがし、ようやく開けることが出来た。

 

ご開帳の儀

楽器店の店主が、いつもチェロケースはダンボールの解体に苦労すると言っていたので、緩衝材ぎっしりを覚悟していたのだが、開けてみたら、ダンボールで組んだ井の字の型枠の中に、ビニールで包まれたチェロケースが入っているだけ。型枠の高さはケースの肩ぐらいまでで、頭の周囲には適当に丸めたエアーキャップが2つ、放り込んであるのみ。かなり丈夫な外箱だし、さすがに放り投げられたりはしないだろうけど、合理的というか、ざっくり感にちょっとびっくり。

取り出してみると、やはり軽い。色のイメージは青魚のつるんとした透明の銀鱗のようで、写真よりなかなか良い。中でカチャカチャ言っているのはリュックベルトだろうから、早速開けてみる。内装の色も希望通りで、新品のにおいが周囲にほのかに漂う。ショップの写真では、ケースの頭部にロゴがあって、これだけはちょっとなぁ、と思っていたけど、このケースは右下に小さく黒い文字でロゴが入っているタイプで、ダサくない。

注文した日からちょうど1ヶ月。ハラハラしながら待つのはとても長く感じたけれど、とりあえず一安心だ。のびてしまったパスタの夕食を食べた後、ドイツのショップに無事に荷物が到着したことを知らせるメールを送ってから、古いケースをねぎらいの気持ちで丁寧に清掃し、ソフトケースに入っていた預かりものの楽器を入れる。新しいケースにも自分の楽器を入れる。新しいケースの入っていたビニール袋は、ソフトケースを入れるのにピッタリだったので、流用させてもらう。

この後できれば書類の明細をチェックをして、ビールで祝杯をあげたいけど、それは明日。もう外も暗くなっていたので、写真も明日だ。ミステリー小説に出てくる探偵が、最後に犯人と伏線を回収するように、届くまで分からなかったことを解明できるヒントが、最後の書類の中にあるだろう。デジカメの充電器をセットしたら、ホッとしたのか週末の疲れか、この日はすぐに寝落ちしてしまった。

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